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空襲被害者を救済する法案について、超党派の議員連盟で検討が続いています。
現在の検討案は、「一部の身体障害者のみ50万円」というもの。
戦災孤児、遺族、家屋や財産を喪失した者、精神障害者への補償はありません。
空襲被害者の70年以上の苦しみと悲しみに見合った金額ではなく、安すぎます。
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私たちは、「二度と戦争をしないとの反省と謝罪を込めた相応の金額の補償」を求めています。「50万円」という金額は、私たちの要求からすれば「0円」に限りなく近いものであり、政府が補償を拒否してきたことと実質的に変わらない中味です。
これで幕引きというのは絶対に許せません。
「全国空襲被害者連絡協議会」を名乗る少数グループが「私たちは50万円で十分です」と宣言しているようですが、これは全国で苦しんでいる空襲被害者の声とは異なります。彼らは全国の空襲被害者の代表ではありません。ご理解いただくようお願いします。

 

朝日新聞2017年5月26日付に、「耕論・空襲被害者の救済」が掲載されました。
河村建夫衆院議員(超党派議員連盟の会長)、藤原まり子さん(空襲被害者)、宍戸伴久さん(元国会図書館調査員)のインタビューです。

藤原まり子さんのインタビューを読むと、「全国空襲連」を名乗る人々が「1人50万円だけで満足です」と主張していることの軽薄さが分かります。
ぜひ、お読みください。

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このほか、空襲被害についての新聞記事は、こちらにも掲載しています。

 

終戦前日の1945年8月14日付の読売報知新聞は、長崎に投下された原子爆弾(当時は新型爆弾と呼ばれた)のことを、「恐れることはない」と報道しました。
( ↓ 画像をクリックすると拡大されます)
読売報知 1945.8.14上
 読売報知 1945.8.14下

長崎県庁前で被爆した読売記者の報告を、「案外 小さい爆発音」という見出しで次のように伝えています。
  • 青白い光がピカリと光った。中くらいの稲妻の程度の光で、強いと思わなかった。
  • 私は、あっ"新型"だとピンと来た。私は冷静に、持っていた書籍を頭上に置いて身を守った。
  • すると、2~3秒おいて"どん"と来た。東京で聞いた爆弾の音よりも小さい音だった。
  • 地震のように大地が割れたと言う人がいたが、あれは嘘である。
  • 古い家屋は二、三軒ほど倒れたが、しっかりした建物は木造でも大丈夫だった。
  • 爆風の通り道を作って建物の破壊を防ぐために、障子を明け放しておくとよい。
  • 死者や重傷者は爆風によるもので、素早く待避した者は命に別状はない。
  • 火傷は肌が露出した部分だけであり、着衣の下は別条はない。
  • 新型爆弾が投下されたら、物陰か路上に"伏せ"をすれば身を守れる。
  • 新型爆弾の輻射熱は爆風より恐ろしくない。
  • 新型爆弾は直接に火災を招くものではない。多少なりとも隠れれば、すぐに人命を奪うということはない。
驚くべき内容です。原子爆弾の被害は、こんなに軽微で呑気なものではありません。爆風と熱線は一瞬にして鉄筋コンクリートの建物をも破壊し、広範囲を壊滅させます。
当時は「空襲は怖くない」と国民に思わせるための厳しい言論統制があり、原爆の被害をリアルに報道することは禁止されていたのです。
なお、記事中に「待避」という言葉があります。「退避」ではなく「待避」です。防空法により空襲からの「退避」は禁止されており、空襲直後に飛び出して消火活動するための一時的な「待避」だけが許されていたのです。

詳しくは・・・
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この書籍で、戦前から終戦までの情報統制、そのなかで沖縄や広島・長崎の惨状はどのように隠されたか、数多くの資料を示して紹介しています。

大前 治 著 (合同出版 刊)
「逃げるな、火を消せ!――戦時下 トンデモ 防空法」
Amazon
楽天ブックス
紀伊国屋書店
honto(ジュンク堂、丸善、文教堂)
e-hon
7net(セブンイレブン)


「空襲は怖くない、逃げずに火を消せ」という防空法については、下記の記事もお読みください。

*講談社 現代ビジネス
「10万人死亡・・・東京大空襲の翌朝、政府が何と言ったかご存じですか」


「空襲から絶対逃げるな・・・トンデモ防空法が絶望的惨状をもたらした」

 
大阪空襲訴訟の弁護団員として、戦時中の国策(防空法、情報統制など)の調査に取り組んだ大前治弁護士が、5月18日(土)に大阪府柏原市で講演をします。
参加費は無料です。ぜひご参加ください。

柏原九条の会 13周年記念のつどい
2019年5月18日(土) 13:30開会 *入場無料
柏原市民文化会館(リビエールホール)
 地下1階 レセプションホールにて
 (近鉄大阪線「安堂」駅から徒歩3分)

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【記念講演】
弁護士 大 前 治 さん
「なぜ国民は戦争に巻きこまれていったのか?」
― いま私たちが考えなければならないこと ―
 
数多くの資料映像を示しながら、過去の開戦前夜の空気を感じ取り、現代への教訓を学び取ります。
 
(講師プロフィール)
1970年京都市生まれ。大阪大学法学部卒業。
鉄道会社勤務を経て2002年に弁護士登録(大阪弁護士会)。
自衛隊イラク派遣違憲訴訟、大阪市思想調査アンケート国賠訴訟の弁護団に参加。2015年6月より日本弁護士連合会立法対策センター事務局次長、2016年6月より青年法律家協会大阪支部議長。
大阪空襲訴訟では戦時中の国策を解明。取材調査や国立公文書館での資料収集を行う。著書に『検証 防空法』(共著)、 『大阪空襲訴訟は何を残したのか』(共著)、『逃げるな、火を消せ――戦時下 トンデモ 防空法』など。
講談社「現代ビジネス」にも記事を掲載。
 
【オープニング】
詩吟 新興吟詠会のみなさん
民衆の心に寄り添う心情を詩に詠み、その心を、気持ちを込めて吟詠すること大切にしています。民主・平和・正義の胎動を志す同士の詩吟会です。柏原の方もおられます。

主催  柏原九条の会
  電話 072-971-3575(小西さん)
  

  
2018年12月6日に、「戦争被害を考える 平和の集い」が開催されたそうです。約40名の方々が参加し、本庄豊さんの講演や、戦災孤児だった吉田栄子さんを交えた対談が行われたとのこと。
今後も、戦争被害の実態を語り広げ、空襲被害者への謝罪と補償を求める活動が広がることを願っています。

 
【報道から】
 
 ↓ 朝日新聞 2019年12月8日付
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 ↓ しんぶん赤旗 2018年12月8日付

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*空襲被害者への謝罪と補償を求めるWebサイト
 

「大阪空襲を伝える会」の人々が、集会を開催するそうです。
戦争によって人々はどう傷つき、苦しむのか。戦争孤児について追跡調査に取り組む本庄豊さんにお話を聴き、二度と戦争をしないため私たちができることは何か。
戦争と空襲の体験者のお話も聴き、戦争の実相を学ぶ企画です。


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「大阪空襲訴訟を伝える会」が新しいチラシを作成されました。

【表面】
・不十分な見舞金ではなく、「心からの謝罪」と「本当に納得できる救済法」を
・いま検討中の法案では、分断や悲しみがもたらされます
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【裏面】
・藤原まり子さんのインタビュー
 「戦争被害は耐え忍べ」――まさかの論理
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全国の空襲被害者と連帯する新しいホームページを立ち上げました。
「全国空襲連」と名乗る人々とは一線を画して、「1人50万円という安すぎる見舞金ではなく、納得できる謝罪と補償を」と求めていきます。
これまでの報道・記事を紹介していますので、ぜひお読みください。


 こちらの新聞記事も、お読みください。
 http://kusyu-higai.blog.jp/archives/386955.html

NHKが大阪空襲訴訟などを取材して放送された番組「逃げずに失われた命」。その番組紹介のページです。
空襲被害者が「空襲から逃げることができなかった」という痛苦の体験を語り、その背景には「逃げずに火を消せ」という防空法があったことを掘り下げています。
大阪空襲訴訟の入廷シーンも掲載。ぜひ、お読みください。


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講談社「現代ビジネス」に、空襲被害者の救済についての論稿が掲載されました。
なぜ空襲被害は日本政府の責任なのか、諸外国では軍人ではない一般市民への補償は行われているのか、財源はあるのか・・・。珍しい史料やデータを紹介しながら幅広く論じています。
ぜひお読みいただき、拡散・転送してください。
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【目次】
 ・戦後73年目を迎えた空襲被害者
 ・同じ障害でも、元軍人だけが補償される
 ・なぜ元軍人だけを補償するのか(雇用関係論)
 ・戦争損害受忍論の不合理性
 ・諸外国では、軍人・民間人の区別はない

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8月15日付
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【目次】
 ・一般市民も「命を捨てろ」と命令された(防空法)
 ・「空襲の被害は軽微」という虚偽情報を流布
 ・戦時中は被災者援護の制度があった
 ・軍人以外への補償も拡大されてきた
 ・財源はある――軍人恩給の減少分を回せる

このほか、下記の記事もぜひお読みください。





*空襲被害を考える会
 
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